2010-08-03から1日間の記事一覧

三島由紀夫「午後の曳航」論2少年は物語を夢見る

中学生の登は、父をすでに幼少に亡くしており、それ以来、未亡人の母の流麗な包容に取り囲まれていた。これによって、彼は、母性の攻囲(これについては後述する)の一方で、きらきらした、別誂えの、そこらの並の男には決して許されないようなあの光栄なる…